ヘッズを“つつみ込む” DJ WATARAI

毎週迎える全52組のゲストDJ/アーティストが選曲したプレイリストとともに、その“アーティスト像の裏側”= “BEHIND THE MIX”を探っていく『RDMS powered by SMIRNOFF』。

ゲストの選曲から導き出される、バックグラウンド、歴史、価値観、哲学に迫る!

第16回目のゲストは、ヒップホップ~R&Bシーンを牽引しつづけるDJ WATARAIが登場!MISIAの“つつみ込むように…”のリミックスを筆頭に、DOUBLE、AIなどR&Bトップシンガーへの楽曲提供やNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのプロデュースなど精力的な活動をつづけてきた、シーンを代表するDJのひとり。第11回目に登場した、彼と交友の深いDJ HAZIMEとの共通質問もあるので、ぜひ2人の選曲を比較して楽しんでいただきたい!

CHOICE 1
初めてDJをしたときのセットに入っていた曲
DAS EFX“They Want EFX”

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They Want EFX
DAS EFX

ジャンル: R&B/ソウル, ミュージック, ヒップホップ/ラップ, イースト・コースト・ ラップ, ハードコア・ラップ, ロック

「横浜BAYHALLの近くにあったグランドスラムというクラブでプレイしたのが初めてでした。ZOOが主催しているダンスイベント『ZOO STYLE』で、ダンスショウの合間にDJタイムが15分あって。他にもDJ KENSEIやDJ KEN-BOも一緒でしたね。
この曲は当時流行っていて、2枚使いもしやすかったんですよね。当時、僕もダンスをやっていたんですけど、この日のプレイが褒められて、DJでやっていこうと決意しました」

90年代に「ディギディスタイル」と呼ばれるラップの手法で、一世を風靡した2人組デュオ:ダス・エフェックス。EPMDが主宰するHit Squad所属の尖鋭としてゴールドディスクを獲得するなど、90年代ヒップホップシーンを代表するアーティストだ。
初DJのセットに入っており、その際にダンサーからDJへの転身を決意するきっかけとなったというエピソードがあるだけに、DJ WATARAIにとっても忘れがたい1曲なのだろう。

CHOICE 2
注目している若手世代のアーティストの曲【邦楽】
Kid Fresino feat. IO“Special Radio”

「いまさらって感じもしますが、Fla$hBackSという3人組のメンバーで、まだ20代前半の若いアーティスト。トラックも作れば、ラップもするし、DJもする。アイデアも新しいし、単純にすごいな~って思いますね。
しかも、荒削りじゃなくて、すでに完成されている。スタイルはサンプリングを使ったり、オーセンティックなんですけど、音はすごく新しい」

ヒップホップ新世代の代表格、Fla$hBackS。jjj、Febb、Kid Fresinoによる同グループは、2013年に発表した自主制作盤でシーンに衝撃を与えて以来、メンバー全員がラップとトラックメイクをこなし、ヒップホップマナーに則った革新的なプロダクションで常に話題となっている。
同曲は、Kid Fresinoの2ndソロアルバムの収録曲。jjj、Febbも精力的にソロ活動を行っているので、併せて注目してほしい!

CHOICE 3
注目している若手世代のアーティストの曲【洋楽】
Bishop Nehru“You Stressin’”

「90年代のフレイヴァーがありますけど、完全に新しい。ナズのレーベルとの契約が決まっていて、卓越したリリシストなので、今後に注目ですね」

ナズ主宰のレーベル:Mass Appeal Recordsと契約を果たしたことでも話題の新進気鋭ラッパー、ビショップ・ネルー。2013年発表のミックステープで脚光を浴びると、ディスクロージャーやMF・ドゥームなどのビッグアーティストと共演を重ねるなど、いま最も注目を集めているラッパーのひとりだ。ナズがプロデューサーを務めるデビューアルバムにも期待したい!

CHOICE 4
好きだけど現場ではかけられない、踊れない曲
Halie Loren“They Oughtta White A Song”

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They Oughtta White A Song
Halie Loren

ジャンル: ジャズ, ミュージック, ヴォーカル

「最近、自宅の音響システムを良いものに変えたんですよ。そしたら、女性ボーカルものの曲がすごく良く聴こえるようになって。家でリラックスしたいときとかに、よく聴きますね。
年齢のせいかな、昔だったらこういう曲を聴いていたら寝てたと思います(笑)」

日本でも高い人気を誇る女性ジャズ・シンガーのヘイリー・ローレンをセレクト。甘く優しくノスタルジックな歌声とサウンドは、確かにクラブのフロアをロックするDJ WATARAIの姿からは想像しにくい(と言ったら失礼か…)。
自己分析によると“年齢のせい”らしいが、このような変化が今後のプレイにどのような影響を及ぼしていくのか。女性ボーカルものがプレイに多くなってきたら、今夜のプレイリストのことを思い出していただきたい。

CHOICE 5
2015年暫定1位のビッグトラック
Flosstradamus feat.Casino“Mosh Pit”

「曲の雰囲気やテンポ感、ラップのスタイル、リズムの取り方など、まさに“いま”って感じですよね。本当にかっこいいです」

シカゴのJ2KとAutobotによるデュオ。EDM~トラップを縦横無尽に操るスタイルは、まさにいまの旬。
イギー・アザリアやジューシー・Jなどのプロデュースや共演で高い注目を集めており、この“Mosh Pit”は彼らの代表曲のひとつ。ハードなプロダクションながらEDMの現場でもよく耳にする、ジャンルを越えたアンセム。

CHOICE 6
連想で選曲【1】
「笑い」というキーワードで連想した曲
Michael Jackson“Thriller”

「もうこれしか思いつかなかったですね(笑)。
僕にとって一番最初にダンスミュージックに触れたのがマイケル・ジャクソンでした。マイケルの作品のなかでも初めて買ったアルバムが『BAD』なので、本当はその頃のマイケルが一番好きです。」

CHOICE 7
連想で選曲【2】
「男らしさ」というキーワードで連想した曲
LL Cool J“Mama Said Knock You Out”

「僕が思う“男らしさ”は、包容力があることだと思います。僕らの世代で“男らしい”と言ったら、この曲しかないんじゃないでしょうか」

RDMS名物の連想で選曲シリーズ。やはりこの手のセレクトは、最近の曲よりも過去に衝撃を受けた楽曲がスッと出てくるのだろう。
今回WATARAIは、マイケル・ジャクソンとLL Cool Jをセレクト。この質問のハードルの高さは、もし自分が同じ質問を受けたらどう答えるか?を想像してもらうとわかりやすい。あなたならどの曲を思い浮かべるだろうか?

CHOICE 8
自分が手掛けた中で印象に残っているリミックス作品
MISIA“つつみ込むように…(DJ WATARAI REMIX)feat. MURO”

「初めてリミックスしたのがこの曲です。シンプルではっきりしたリズムに、気持ちのいいウワモノを入れるのが、当時の僕の気分だったと思います。
アナログの発売日にレコードショップに行列ができたり、大きなブームになったのも印象に残っている曲です。オリジナルよりリミックスの方がいいよねって言われるのが、一番の褒め言葉ですね」

いまや紅白歌合戦にも出場し、国民的なシンガーとなったMISIA。1998年に“つつみ込むように…”でデビューを果たした彼女。同曲は、アナログレコードを重視した販売戦略がとられたこともあり、「すごい曲が出るらしい」という口コミが広がり、発売日には徹夜組が現れるなどレコードショップには長蛇の列が…。
元曲のカップリングとして収録されたリミックスを手掛けたのがDJ WATARAIであり、その後のリミックスブームの火付け役となった。

今回はRDMSのコンセプトである“アーティスト性の裏側”がしっかりと感じられる、充実した回となった。。

ダンサーからDJへの転身を決めたという<CHOICE1>から、Fla$hBackSとビショップ・ネルーを聴き比べても面白い<CHOICE2・3>、そして、DJ WATARAIと言ったらコレ!のMISIAの話まで、手堅いながらも彼の人柄、アーティスト性が伝わる内容となった。ひとつひとつの選曲理由を丁寧に答えてくれたことにも感謝!

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