大阪・西成レペゼン SHINGO★西成

毎週迎える全52組のゲストDJ/アーティストが選曲したプレイリストとともに、その“アーティスト像の裏側”= “BEHIND THE MIX”を探っていく『RDMS powered by SMIRNOFF』。

ゲストの選曲から導き出される、バックグラウンド、歴史、価値観、哲学に迫る!

第27回目のゲストは、大阪・西成レペゼン、唯一無二のスタイルでヒップホップシーンをかきまわすSHINGO★西成が登場! これまで多くのヒップホップ・アーティストが登場してきたが、いったいどんな選曲で個性を見せてくれるのか!?

CHOICE 1
もしこの曲に出会わなかったら今の自分は無かった
PUBLIC ENEMY“BURN,HOLLYWOOD, BURN”

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BURN,HOLLYWOOD, BURN
PUBLIC ENEMY

ジャンル: ヒップホップ/ラップ, ミュージック, イースト・コースト・ ラップ, ハードコア・ラップ

「初めて観たのは、MTV全盛期の時代ですね。当時は、30曲中1曲くらいしかヒップホップは流れなかったので、テレビにかじりついてました。そんなわけで、ヒップホップ以外の曲にも自然に詳しくなったんです。この曲はアイス・キューブとビッグ・ダディ・ケインが参加してるんですが、ビッグ・ダディ・ケインのラップはヤバい!」

ヒップホップ・アーティストがゲスト出演したときに、もはや必ずと言っていいほどあがる名前、パブリック・エネミー。彼らが遠く日本にも、どれだけ大きな衝撃を与えたかがわかるはずだ。
SHINGO★西成が挙げたのは、「BURN, HOLLYWOOD, BURN」。1990年にリリースのサードアルバム『Fear of a Black Planet』に収録されており、アイス・キューブ、ビッグ・ダディ・ケインというレジェンドが参加した豪華な1曲で、彼らの最大の特徴である社会的なメッセージが痛烈に込められている。

CHOICE 2
今も昔も、いつ聴いてもアガれる曲
Heavy D & The Boyz“Now That We Found Love ft. Aaron Hall”

「家が貧乏でも、失恋しても、カラダがノリノリになってしまう厄介なニュー・ジャック・スウィング感がヤバい!ラップも声もええしね」

がっしりした体型でチンピラ臭たっぷり、だけどなぜか憎めない風貌、そしてファンキーかつリズミカルなパーティラップを繰り出すヘヴィ・D。SHINGO★西成のコメントにある通り、どんな時でも体が動き、明るくなってしまう最高の1曲だ。
ギャングスタ・ラップがシーンの潮流であった1980年代後半にノリノリのニュー・ジャック・スウィングを提示し、一世を風靡。後世のシーンにも大きな影響を与えた偉大なアーティストだったが、惜しまれつつも、2011年に44歳の若さで他界した。

CHOICE 3
新しいトレンドを感じる曲
Justin Bieber“What Do You Mean?”

「曲ちゃうねん。ジャスティン・ビーバーのすること、為すこと全部がおもろい(笑)。
なにやっても話題になるし、いろんな曲も歌っている。アルバムもよかったですね~。とにかくめっちゃおもろい。生き方がギャグ。突拍子がなくて、次にやることがまったく読めない。後輩に『一生のお願いです!』を月に2回言ってくるヤツがおるんですよ(笑) まさに“What Do You Mean?”ですわ。大阪弁で言えば、『なにいうとんねん?』って感じなんちゃう?」

彼が何かをしでかせば、世間が動く。国際指名手配されたり、ホワイトハウスに国外追放の嘆願書が届けられたり、とにかく評判が悪いジャスティン・ビーバー。
しかし、当の本人はどこ吹く風。トラブルメーカーもここまでいけば、もはや尊敬の域だ。
その一方でアーティストとしては、ジャック・ユー(スクリレックス&ディプロ)にフィーチャーされたり、年末リリースのアルバムでは新境地を見せるなど、そのスター性は抜群。色々な意味で“オンリーワン”な存在である。

CHOICE 4
“今の関西”を感じるラッパーの曲
R-指定“Dr.strangelab”

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Dr.strangelab
R-指定

ジャンル: ジャンル: ヒップホップ/ラップ, ミュージック

「関西のシーンのエエとこは、会話とお笑いのIQが高いとこ。常に遊び心があるんですよね。この曲は、そういう関西の部分がありつつも、ちゃんとハメるとこはハメて、ストリート感もしっかりありますね」

国内最高峰のフリースタイルの大会『Ultimate MC Battle』にて、2012、2013年に連覇を果たし、『高校生RAP選手権』でも的確なコメントと評価で、フリースタイルシーンではもはや欠かせない存在となったラッパー「R-指定」。そのスキル、リリック、哲学から高い評価を獲得し、独特なヒップホップシーンを形成している関西でも異彩を放つ彼。そのスタイルをぜひこの曲で味わってみてほしい。

CHOICE 5
“オトコの中のオトコ”の曲
志賀 勝“道”

「困った時や、ピンチになった時こそ人間本来のポテンシャルが見えると思うんですよ。だから、ピンチはもちろん、チャンスの時にも自分や周りを活かせるような男はかっこいいと思いますね。
あと、そんな強さの中に、優しさ、哀愁、かわいさ、人間力のある人がいいね」

『仁義なき戦い』シリーズなどの任侠映画や時代劇などで見せる「ならず者」のイメージと、バラエティで見せる親しみやすい人柄とのギャップが愛されてきた志賀 勝。1970~80年代は歌手活動も並行し、4枚のアルバムをリリースしている。
「道」は志賀の5枚目のシングル。“男”よりは、“漢”と書いた方がしっくりくる、こぶしが利いたこの昭和の曲は、草食系や絶食系が多い昨今にオトコの“道”を示してくれる。

CHOICE 6
2015年にリリースされた中で、一番衝撃を受けた曲
tha BOSS[THA BLUE HERB]“MATCHSTICK SPIT”

「2015年リリ-スのアルバムがすげえ良かったですね。俺は2015年はアルバムを出していなかったんで、仲間から刺激を受けることが多くて、その中でも般若、NORIKIYO、ZORN、BOSSさんの刺激は強すぎて、焦りを覚えました。アルバムを通して聴くことができなかったです。1曲1曲を止めながら聴いて、それがナイフのように刺さってきました。この曲は間違いないです」

悔しさが滲んだコメントから、SHINGO★西成のアーティストとしてのプライドや向上心が感じられる。2015年は数多くのヒップホップの名作が生まれたが、その中からピックアップしたのは、THA BLUE HERBのtha BOSSによるファーストソロアルバムからの1曲。
SHINGO★西成の心にナイフのように刺さったこの曲、そのメッセージ。ぜひ真摯に受け止めてほしい。

CHOICE 7
最近のSHINGO★西成はこんな感じ!自身の作品からおすすめを1曲
般若/ZORN/SHINGO★西成“ありがとう”

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ありがとう
般若/ZORN/SHINGO★西成

ジャンル: ヒップホップ, ミュージック, ヒップホップ/ラップ

「日常のなかで歩いたり、チャリンコ乗ったりして見える景色から感じた気持ちを歌にしていくだけですね、俺は。
この曲は2015年末にリリースした新曲で濃いメンツが揃ってる。般若、ZORN。そして誰や誰やって、俺や俺! 昭和の気持ちをやっと言葉にできた曲で、プロデュースは俺の相棒、DJ FUKU。みんな不器用なんで、やっと言葉にできた」

2015年10月には、DJ FUMIRATCHのプロデュースで「GO」をリリース。そして、続けざまに発表されたのがこの曲「ありがとう」。
メロディアスなトラックにのせ、ストレートに感謝を伝える三者三様のリリックが、感情のままに吐き出されていく。シーンを代表する3MCの“気持ち”が込もった熱き1曲。

CHOICE 8
自分のライバルだと思っているアーティストの曲
The Notorious B.I.G.“Juicy”

「でかいこと言いますけど、ノトーリアス・B.I.Gです。同い年なんですよ、彼と。
究極は、こうやって話しているのがそのままヒップホップになるのがいいんですよ。ビギー(ノトーリアス・B.I.Gの愛称)はそれができていて、喋っている会話もラップに聴こえて、それに酔ってしまう」

SHINGO★西成のコメントで、ビギーは本当に早世してしまったのだな、と再確認した人も多いかも。もともと“ヒップホップ”とは音楽ジャンルの名称ではなく、ラップ、ダンス、DJ、グラフィティの要素から成るカルチャーを指した言葉だった。
そのカルチャー、スタイルの究極系としてSHINGO★西成が言及するのが、“日常であること”。幼少期からヒップホップに親しむ若者が増えた昨今、将来はそれを体現するアーティストが多く現れそうだ。

関西ヒップホップシーンでひときわ大きな光を放つSHINGO★西成だけに、選曲やコメントもユニークなものが多くなり、彼のアーティスト性をうかがえる内容となった。
志賀 勝といった変化球やジャスティン・ビーバーに面白さを感じる一面、tha BOSSを挙げたアーティストとしての悔しさ・焦燥感など、飾らない人柄に、ますます彼を好きになった人も多いのではないだろうか。
熱く、そして面白く。期待に違わず、色濃い関西の血を見せつけてくれたSHINGO★西成に「ありがとう」!

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