世界で幅広く活躍する音楽家、Shing02が登場!

毎週迎える全52組のゲストDJ/アーティストが選曲したプレイリストとともに、その“アーティスト像の裏側”= “BEHIND THE MIX”を探っていく『RDMS powered by SMIRNOFF』。

ゲストの選曲から導き出される、バックグラウンド、歴史、価値観、哲学に迫る!

第28回目のゲストは、世界で幅広く活躍する音楽家・Shing02!
10代半ばにカリフォルニアでヒップホップの洗礼を浴び、日本語と英語を自在に操る流麗なフロウと高いメッセージ性を持ったリリックでシーンに衝撃を与えた彼。現在はハワイを拠点に活動する彼の来日タイミングを、RDMSがキャッチ!

CHOICE 1
懐かしくてニヤける曲
Souls of Mischief“93’ Til Infinity”

「1993年は僕にとって特別な年。高校を卒業して、大学の寮で毎日聴いていたのがこの曲です。そのときはまだラップを始めてなくて、僕と同世代の人たちが、カルフォルニアのベイエリアで活躍してるのがすごく刺激的でした。その時はまだラップを始めていなかったんですが、僕と同世代の人たちがカリフォルニアのベイエリアで活躍しているのがすごく刺激的でした。バスワンというプロデューサーに、ヒップホップの精神やラップのスキルを、『巨人の星』並みのスパルタで叩きこまれました(笑)」

10代半ばからアメリカで過ごし、カリフォルニア大バークレー校に入学したShing02。ヒップホップの黄金期と称される1993年のことである。当時、Shig02はまだラッパーとしての活動を始めておらず、憧れの対象として同世代のラッパーに熱き眼差しを送っていた。
その後、周囲の仲間にも恵まれ、ラップ活動をスタート。日本語と英語の狭間に揺れながらも独自のスタイルを確立。その後の活躍は、みなさんのご存知のとおりだ。
ソウル・オブ・マスターチーフの1stアルバム「93’ Til Infinity」は、紛れもないヒップホップクラシックであるが、Shing02という偉大なるアーティストを生み出すきっかけ、という側面も加えるとよりその存在感が増してくる。

CHOICE 2
才能を感じる若手の曲
A-F-R-O“Code#829”

「僕らの時代に“ヒップホップ”と言えば、明確な“コレだ!”という感覚があったんですが、最近、特に00年代からのヒップホップはダンスフロアとの親和性が高くなって、トラップやダブステップなどと融合して、すごく多様化してる。
このアフロはまだ10代後半のアーティストで、いますごく全米で話題になってます。
僕らの世代で言えば、ファロア・モンチやブラッカリシャスの“Gift of Gab”のような早口スタイルを、いまの子がやってる。ケンドリック・ラマーやオッド・フューチャーも含めて、言葉を詰め込むのが流行ってるんですね。いわゆる“リリシズム”の回帰を、いまの音でやってる」

現在、DJプレミアとアルバム制作をしていることでも話題のアフロ。2014年頃にインターネットを中心に大きな話題となり、一躍シーンの超新星として今後の活躍に期待が集まっている。トレンドのサイクルや過去の再評価という現象はありつつも、常に進化を続ける音楽シーン。ひと言で“ヒップホップ”と言っても、その音楽性を伝えるのが難しくなった現在で、“温故知新”のスタイルを見せつけているアフロ。今後どのような衝撃を与えてくれるのだろうか。

CHOICE 3
いまってどんな時代? こんな時代だからこそ多くの人に聴いて欲しい曲
Bob Marley & The Wailers“Get Up, Stand Up”

itunes

Get Up, Stand Up
Bob Marley & The Wailers

ジャンル: レゲエ, ミュージック

「どの時代も一緒なのかもしれませんけど、個人の“Right=権利”を守るために立ち上がるのは重要。特にソーシャルメディアが普及して、なんでもシェアできる時代だからこそ、人の目を気にしちゃって踏み込めない“タブー”が存在する。自分の価値観を見直さないと、結局周りに流されちゃいますよね。“個人”はIDやプロフィール以外の部分にあって、“自分がどうしたいのか”についてはしっかりと主張しなくてはいけない」

ヒップホップという手法を駆使し、核問題や風営法など様々な社会問題に鋭く言及してきたShing02。今回の彼の選曲のうち、その理由が一番気になったのは、ボブ・マーリーの“Get Up, Stand Up”だった。
情報が飽和し、他者とのつながりを強く求める時代だからこそ、見えづらい“個性”と“主張”。他者との“違い”を恐れるあまりに周りに同調するのではなく、自分の意見や権利をしっかりと主張することの大切さをShing02は説く。

CHOICE 4
美しい音色 or 美しい歌声の曲
Maryanne Ito“How I Feel”

「僕がいま拠点としているハワイつながりで、ハワイ出身のすごく美しい歌声のマリアンヌ・イトウさんを紹介します。この曲は、ネオソウル系ですけど、ルーツレゲエもやったりしていて、すごく魅力的なアーティストです」

一聴しただけで、その美しさに息を呑む。マリアンヌ・イトウは、2014年にリリースした自主制作アルバム「Waking Up」がUKでスマッシュヒットし、注目を浴びたハワイ・ホノルル在住のシンガーソングライター。同作に収録され、シングルカットもされたのがこの“How I Feel”。気になった人は、ぜひ他の曲もチェックしてみてほしい!

CHOICE 5
自ら映像も制作するShing02。好きなサウンドトラックから1曲
Kavinsky“Nightcall(映画『Drive』より)”

「曲も映画もド渋でかっこいいですね。ライアン・ゴズリングが主演で、アメリカの映画なんですが、いわゆるハリウッド映画とは全く趣が違いますね。ライアンの役は、ある種のドライバーなんです。ネタバレは控えますが…。寡黙な人間で渋くて、とにかくかっこいい。まだ観ていない人はぜひ」

2014年には、自身が脚本・監督を務めたショートムービー『Bustin’』を発表するなど、映像分野においても自身の表現方法を模索し、高い評価を獲得しているShing02。そんな彼が好きなサウンドトラックを選ぶとしたら? かなり迷ったと思われるが、2011年に公開され、カンヌ国際映画祭など多くの映画賞を獲得した『ドライブ』からセレクト。
シリアスな展開のなかで効果的に流れるサウンドトラックも高い評価を得たが、そのなかでも真夜中を疾走するような“Nightcall”は雰囲気抜群! ぜひ映画を観た後に、音楽もじっくり鑑賞していただきたい。

CHOICE 6
男らしさを感じる曲
Kendrick Lamar“King Kunta”

「男らしさにも色々定義があると思いますが、ラッパーだと自分の言いたいことを言うってのが、基本だと思います。ケンドリック・ラマーの場合は、社会に対して、音楽業界に対して、本当に言いたいことを言っていて、すごくかっこいい。」

RDMSでは定番となったこの質問。その答えは、ケンドリック・ラマーの“King Kunta”。
今年2月に授賞式が行われる第58回グラミー賞でも、最多11部門にノミネートされているケンドリック・ラマーの最新アルバム「To Pimp A Butterfly」の収録曲。“King Kunta”では人種問題、ことに黒人差別について扱っており、実在した奴隷であるクンタ・キンテを王として歌っている。
自身のルーツをリスペクトし、過去の凄惨な歴史を風化させまいと、シリアスなテーマをヒップホップマナーにのっとった楽曲で歌い上げる。音楽的評価はもちろん、その視点や哲学も大きな賞賛を浴びている。

CHOICE 7
最近のShing02はこんな感じ
Shing02 & Cradle Orchestra“Zone of Zen”

ここでCradle Orchestraの瀬戸智樹がゲストとして登場!

瀬戸:「Cradle OrchestraとShing02とでオリジナルのフルアルバムを作りました。“Zone of Zen”は、Shing02とのやり取りから生まれた新しい試みの曲です。アルバム自体は、僕が得意とする生音と打ち込みをミックスしたトラックが多くなっていますね。かなりバラエティに富んでいて、アルバム内に似たような曲はひとつもないです」

Shing02:「2016年は、このアルバムからスタートします。2016年は日本語によるアルバムを作ったり、先延ばしにしていたプロジェクトをやり遂げたいですね」

2016年1月6日にShing02+Cradle Orchestra名義でリリースされたばかりのオリジナルアルバム「Zone of Zen」。番組終盤にCradle Orchestraの瀬戸智樹が出演してくれ、アルバム制作の秘話を語ってくれた。
Cradle Orchestraは生楽器と打ち込みを融合した美しくメロディアスなサウンドで独自の境地を開き、海外からも高く評価されているヒップホップ・プロジェクト。今回はヒップホップファン待望のShing02とのコラボが実現し、大きな話題となっている。
そのアルバムからの表題曲“Zone of Zen”は、あまりにも美しいピアノリフのイントロから三拍子で進行する変則的なトラックに、Shing02の巧みなフロウが自然にハマった傑作だ。

来日のタイミングで、幸運にもShing02の出演が実現した今回のRDMSは、彼独自の音楽哲学からバックグラウンド、映画に対する思いやメッセージなど、多岐にわたって掘り下げることができた。
なかでも定番となった“男らしさを感じる曲”で挙げてくれたケンドリック・ラマーは、納得の選曲だった。直面している現実の問題から目を背けずに、真っ向からヒップホップで対峙するスタイルは、ケンドリック・ラマーとShing02に共通する点とも言えるだろう。
ニューアルバムの予定についても言及してくれたShing02。今後どんなメッセージを我々に伝えてくれるのか、引き続き注目していきたい。

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