クイーン・オブ・レゲエこと、日本を代表するシンガーPUSHIM

毎週迎える全52組のゲストDJ/アーティストが選曲したプレイリストとともに、その“アーティスト像の裏側”= “BEHIND THE MIX”を探っていく『RDMS powered by SMIRNOFF』。

ゲストの選曲から導き出される、バックグラウンド、歴史、価値観、哲学に迫る!

第31回目のゲストは、1999年のデビュー以来、「I pray」「FOREVER」など数々のヒット曲をリリースし、“クイーン・オブ・レゲエ”の座に君臨。いまやレゲエシーンの枠を超えて日本を代表するシンガーのひとりとなったPUSHIM! 大阪出身の彼女ならではの質問を交えつつ、ざっくばらんな陽気なトークが繰り広げられた。

CHOICE 1
自分にとって今も大切なSOULの曲
Patti Austin“That’s Enough For Me”

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That’s Enough For Me
Patti Austin

ジャンル: ジャズ, ミュージック, ポップ, R&B/ソウル

「おませさんだったので、小学生くらいから洋楽ばかり聴いていたんです。特にMVが好きで、マドンナとかマイケル・ジャクソンをよく観ていました。
その頃はポップス中心だったんですけど、中学生になって父親からパティ・オースティンの『Havana Candy』というアルバムをもらったんです。めちゃくちゃ聴いて、ブラックミュージックの虜になりましたね」

3歳でアポロ・シアターのステージに立ち、5歳でレコード会社と契約。その後、クインシー・ジョーンズのツアーに帯同するなどの活躍後、1976年にソロデビュー。R&B~ジャズを中心としたヒット曲を多数発表し、2008年にはグラミー賞を獲得するなど、まさに“ディーヴァ”という称号がしっくりくるシンガー:パティ・オースティン。
“That’s Enough For Me”は、彼女の3rdアルバム『Havana Candy』の冒頭を飾る1曲で、ムーディでメロウな大人のサウンドを味わえる。

CHOICE 2
シンガーになろうと決心させてくれた曲
Fugees“Fu-Gee-La”

「レゲエのクラブで歌い始めて、2~3年経ったときに自分のスタイルを模索して悩むようになりました。その時に出会ったのが、フージーズのアルバム『The Score』。
私はレゲエを歌う前から、ブラックミュージックが大好きだったんで、このアルバムを聴いたときに自分の好きな音楽が全部詰め込まれているなって。自分のやりたいことのヒントをくれた1枚ですね」

ローリン・ヒル、ワイクリフ・ジョンを擁し、ヒップホップを軸に多彩な音楽ジャンルを散りばめ、大胆なサンプリングネタを使用するなど、90年代に一世を風靡したフージーズ。
「The Score」(1996年)は、1700万枚以上のセールスを記録した音楽史にとっても重要な1枚。既成概念にとらわれない独自の音楽性を提示した楽曲の数々が、PUSHIMのスタイルに影響を与えたというのも納得。

CHOICE 3
大阪っぽさを感じる曲
上田正樹“悲しい色やね”

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悲しい色やね
上田正樹

ジャンル: J-Pop, ミュージック, R&B/ソウル

「2年くらい前に大阪の新歌舞伎座でワンマンライブをしたんですが、“大阪っぽい”ことをしたいなって思って、上田正樹さんの“悲しい色やね”とやしきたかじんさんの“やっぱ好きやねん”をカバーさせてもらったんです。めっちゃ盛り上がりましたね(笑)
大阪の音楽シーンは、人のつながりを本当に大事にしますね。人情があって、熱い。“悲しい色やね”のブルースっぽいとこが、大阪の物悲しい部分をすごく表現していますね」

1972年のデビュー以来、大阪を中心にR&B~ソウルシンガーとして活動をしてきた上田正樹。“大阪”にまつわる楽曲も数多く発表しており、最大のヒットとなったのがこの“悲しい色やね”。サブタイトルの“OSAKA BAY BLUES”のとおり、大阪湾を舞台にした哀愁ただよう昭和歌謡。
首都圏にお住まいの方なら、“ブルー・ライト・ヨコハマ”の大阪バージョンと言えば、想像がつきやすいだろうか。

CHOICE 4
日本語ラップで気になる曲
PUSHIM×韻シスト“90’s Nights”

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90’s Nights
PUSHIM×韻シスト

ジャンル: R&B/ソウル, ミュージック

「韻シストも大阪出身で、前から知っていたんですが、去年初めてお会いできました。一緒に曲を作ったり、ライブをしたり…おもろい人たちですね。
ヒップホップバンドなので、作品やライブのアレンジが音楽的にすごく幅広くて、歌えるベーシストとハモれるギタリストがいて、最強ですね(笑)」

大阪を拠点に活動する5人組ヒップホップバンド:韻シスト。R&B、ジャズ、ファンク、ソウルなど様々なサウンドを内包し、コラボレーションも多数。
2015年はCharaとのコラボ曲が話題になったほか、PUSHIMと初共演となった“Don’t Stop”など、ますます活躍の場を広げている。最新アルバム「F」に収録の“MATTAKU”でも共演を果たしているので注目!

CHOICE 5
この人にはかなわないかも? いまでも憧れの女性シンガーの曲
美空ひばり“愛燦燦”

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愛燦燦
美空ひばり

ジャンル: 歌謡曲, ミュージック

「初めて聴いたのは、テレビのCMだったと思います。もちろん美空ひばりさんはその前から知っていましたが、CMの15秒くらいの間で一気にやられてしまいました。
美空ひばりさんは、歌がうまいのはもちろんですけど、人間誰しもが背負っているものとか、足りないものとか、そういった自分の弱いところの全部を歌っている感じがして、心の奥底をかき混ぜられますよね」

昭和の大スター、美空ひばり。いまさら語るまでもないが、“川の流れのように”“真っ赤な太陽”“柔”などは、誰もが一度は耳にしたことのある名曲のはず。心を揺さぶる歌唱力とスター性を兼ね備え、死後25年以上経ったいまでも唯一無二の歌手として、日本国民の心に刻まれている。女性歌手として、初の国民栄誉賞を獲得するなどその業績は他を圧倒しており、シンガーなら誰しもが美空ひばりのように、多くの人の心に響く歌を歌いたいと願うはずだ。

CHOICE 6
ステキなオジサマが歌っている曲
Brian Mcknight“Love Of My Life”

「ステキなおじさま像というと…、恋愛だけではなくて、人間として経験が豊富な人がいいですね。私が取り乱していても落ち着いているような人がステキだと思います。
ブライアン・マックナイトは、もう声にメロメロですね。特にあま~い裏声がいい(笑)」

“憧れの女性”に続けて尋ねてみたのは、“ステキなオジサマ”。選曲は一転して洋楽アーティストのブライアン・マックナイトとなった。
とにかくセクシーな歌声で世の中をメロメロにしてきた彼。PUSHIMは、とくにファルセット(裏声)にやられてしまうとのこと。こんな甘い歌声でラブソングを歌われてしまうと、女性はイチコロ? モテたい男性は、外見や性格の他に、“声”も重要なポイントとして押さえておくべきかも。

CHOICE 7
ROCKで好きな曲
Extreme“More Than Words”

「これもMVで好きになった曲です。2人の彫刻のような顔立ちにやられました(笑) 私が洋楽を聴き始めた80年代は、ボン・ジョビ、ヴァン・ヘイレン、ホワイトスネイクなどハードロックが流行っていて、子どもには入りづらかったんです。でも、アコースティックのこの曲は、ハーモニーが心地よくてすーっと入れましたね。」

PUSHIMとロック。非常に興味深いクエスチョンとなったが、回答は予想外にエクストリームの“More Than Words”(1991年)。この曲はビルボード1位、そしてグラミー賞も獲得した名バラード。
エクストリームはハードロックを基調としたバンドだが、この曲はアコースティックギターの調べが美しい。ロングヘアーで、彫りの深い端正な顔立ちの2人が歌う美しいラブソング。モテる男になるにはやっぱり、“声”だけじゃなく外見も大事なのか?

CHOICE 8
PUSHIMの近作のなかからオススメを一曲
PUSHIM“ねむれない夜”

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ねむれない夜
PUSHIM

ジャンル: レゲエ, ミュージック, J-Pop

「1月20日に『F』というアルバムをリリースしました。今回は、自分のレーベル:Groovillageから初のリリースとなります。
タイトルは子どもが私の携帯を勝手にいじって、“F”とだけ書いたメールを誰かに送信しそうになっていた出来事がきっかけです(笑) “F”から始まる英単語には、“Furture”“Fine”“Freedom”“Fantastic”とか、いい言葉がたくさんあるので、色んな意味が込められています。
この“ねむれない夜”は一言で言うと…。“ねむれない”感がめっちゃ出てる曲ですね(笑) 目がギンギン!みたいな」

2014年にデビュー15周年の集大成となるベスト盤、2015年11月にはフィーチャリングベストをリリース。そしてこの度、新レーベル初のアルバム 『F』を発表したPUSHIM。 そしてこの度、新レーベルを発足し初のリリースとなる『F』を発表したPUSHIM。新しい船出の一枚となるアルバムからのこの曲は、現代社会をサバイブする人なら誰もが経験のある“眠れない夜”がテーマ。恋に悩んだり、仕事のストレスだったり、原因は様々だろうが、そんな夜にはぜひ聴いてもらいたい。

パティ・オースティン、フージーズといった納得の選曲から、大阪魂炸裂の上田正樹“悲しい色やね”に、美空ひばり、ブライアン・マックナイト。バラエティに富んだ選曲を、フレンドリーな大阪弁で語る様子は、こちらまで明るくなってしまう魅力に溢れていた。
今回のトークを通じて、彼女が多くファンから愛される理由が改めてわかった。

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