渋谷HARLEM『RED ZONE』を毎週続けて 15年。 DJ KOYAとDJ KANGO!!

毎週迎える全52組のゲストDJ/アーティストが選曲したプレイリストとともに、その“アーティスト像の裏側”= “BEHIND THE MIX”を探っていく『RDMS powered by SMIRNOFF』。

ゲストの選曲から導き出される、バックグラウンド、歴史、価値観、哲学に迫る!

第34回目のゲストは、毎週火曜日に渋谷HARLEMで開催されているビッグパーティ『RED ZONE』のレジデントDJ であるDJ KOYAとDJ KANGOが登場!ヒップホップのトップDJとして、長らくシーンを牽引しつづけてきた2人。2016年で『RED ZONE』が15周年(※月1回のレギュラーではなく、毎週のレギュラーで15年間!)を迎えるにあたり、それぞれのバックグラウンドを掘り下げつつ、2人に同じお題で選曲してもらった!

CHOICE 1
これは100点だと思えるクラシック曲
DJ KOYAセレクト: Nu Shooz“I Can’t Wait”
DJ KANGOセレクト: Pharoahe Monch“Simon Says”

itunes

Simon Says
Pharoahe Monch

ジャンル: ヒップホップ/ラップ, ミュージック

DJ KOYA: ひと言で“クラシック”と言っても無数にあるのでかなり迷いましたが、いまだにサンプリングされることが多くて、若い子たちもフレーズがわかるという意味でこの曲を選びました。
DJ KANGO: 僕が選んだのは、ファロア・モンチ
DJ KOYA: 確かにこれは100点だね!
DJ KANGO: この曲が流行った頃、僕は現役のダンサーだったので、よくHARLEMに行って踊って遊んでましたね

DJ KOYAが選んだのは、夫婦ユニット:ニュー・シューズが1985年にリリースした“I Can’t Wait”。この曲は、ヴァネッサ・ウィリアムス“Happiness”や、マン“Buzzin feat. 50Cent”などにサンプリングされたほか、ニューヨーク・ハウス全盛時には多くのDJにプレイされまくったクラシック中のクラシックとして知られている。
一方で、DJ KANGOはファロア・モンチをセレクト。日本人なら誰もが耳にしたことのある「ゴジラのテーマ」を大胆にサンプリングして大ヒット(後に著作権侵害で訴えられることになったが…)。 ちなみにタイトルにある“Simon Says”とは英語圏では一般的な、子どもの遊びのこと。

CHOICE 2
決してキラートラックにはならないけど…この曲はセットに入れておきたい!
DJで“場”を作っていくうえで必要な、縁の下の力持ち的な曲
DJ KANGOセレクト: The Notorious B.I.G“Big Poppa”
DJ KOYAセレクト: Jay-Z“I Just Wanna Love U (Give It 2 Me)”

DJ KANGO: ピークで上げて、上げきったあとにゆっくりと甘めに踊らせたいときにビギーの“Big Poppa”をプレイします。20年前の曲ですけど、全然色あせないですね

ピークタイムにかけるアンセムだけではDJプレイは成り立たない。DJは何気ないようで、実によく練られたセットを組んでいるが、その一端を垣間見ることができる質問がこれ。
DJ KANGOがセレクトしたのは、ビギーこと、The Notorious B.I.G。“Big Poppa”は、言ってみればクラブで女の子をナンパする曲。DJ KANGOがこの曲をプレイしたときは、「男どもよ、いまこそ女の子に話しかけろよ!」というメッセージが込められているのかも?

DJ KOYA: 僕は上がらず下がらず、テンションをキープしたい時に、ジェイ・Zの“I Just Wanna Love U”をかけます。ジェイ・Zの曲は全部いいですね!

DJ KOYAは、ジェイ・Zとファレル・ウィリアムズという豪華競演が実現した“I Just Wanna Love U”(2000年)。プロデュースをザ・ネプチューンズが手掛けたということもあり、当時のヒップホップ~R&Bシーンを象徴するコラボレーションと言える1曲である。

CHOICE 3
これはある意味“レッドゾーン”! アブない曲といえば?
DJ KOYAセレクト: Pitbull“Don’t Stop The Party feat.TJR”
DJ KANGOセレクト: R.Kelly“Bump N’ Grind”

DJ KOYA: この曲は、『RED ZONE』に来るお客さんたちにとっては、キャッチー過ぎてプレイするとちょっと“アブない”(笑) そういった意味でのセレクトですね
DJ KANGO: 俺が選んだR・ケリーのこの曲は、とにかくエロい(笑) エロくてアブない。フルバースではかけないですけど、ハマれば最高ですね

なにをもってして、“アブない”とするか。ふたりの見解が分かれ、面白い回答を得られた。
DJ KOYAは“オーディエンスからの反感がちょっと怖い?”系のアブない選曲。ヒップホップの老舗パーティだからこそ、耳の肥えたお客さんも多い『RED ZONE』。キャッチーな曲をかけるとセルアウトしたと勘ぐられてしまうかも(笑)
DJ KANGOは、エロくて“アブない”曲。エロい歌詞、エロい声の代名詞とも言えるR・ケリーの楽曲群のなかでも、とりわけセクシーな1曲。歌詞にあるようなセリフを堂々と吐けるくらいになれば、君も一人前の色男だ。

CHOICE 4
自分が思う、RED ZONEのテーマ曲
DJ KANGOセレクト: Jay-Z“I Just Wanna Love U (Give It 2 Me)”
DJ KOYAセレクト: DMX“Party Up (Up In Here)”

DJ KANGO: KOYAと同じでテンションをキープしたいときにかけますね。1バース目の頭のリリックがクリス・ブラウン『Loyal』のフレンチ・モンタナと同じなんです。なので、リリックつながりでミックスしたりしています。
『RED ZONE』の魅力は、常に新しいことを受け入れて、チャレンジしてきていることですね

“同じ質問に同じ曲”とはいかなかったが、違う質問で同じ曲をセレクトし、どこかで通じあっているところを示してくれた。しかも、クリス・ブラウン「Loyal」とのリリックの関係性を挙げ、トップDJならではの造詣の深さを披露してくれたのは、さすがのひと言。
『RED ZONE』が15年間にわたって、愛されつづけてきた最大の理由は、このあたりにもあるのかもしれない。

DJ KOYA: 『RED ZONE』は、もちろんヒップホップが軸ではあるんですけど、いろいろなものを取り入れる柔軟性があります。ぜひ遊びに来てください!

DJ KOYAがセレクトしたのは、DMXの代表曲。DMXといえば、私生活では数々のトラブルを起こす問題児でありながらも、MCとしてのスキルは飛び抜けており、90年代後半から00年代にかけて数々のヒット作を生み出したラッパー。
“RED ZONE=危険な領域”のイベント名通り、一筋縄ではいかないイメージにピッタリの曲である。

『RED ZONE』で15年間、二人三脚で歩んできた2人。お題は違えどジェイ・Z「I Just Wanna Love U (Give It 2 Me)」を互いにセレクトするなど、随所で音楽哲学の共通点を見せてくれた。

差異があるからこそ、相互に異なる楽曲の魅力を引き出し、共通点があるこそ15年間も続けることができたという、関係性の強さがうかがえる。

『RED ZONE』の魅力として2人が挙げてくれた“新しいものを取り入れる、チャレンジングな柔軟性”。15周年のアニバーサリースペシャルとなる3月は、ぜひHERLEMに足を運び、その魅力に直に触れてみてほしい。

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