世界を股にかけるDJ Alex From Tokyoが登場!!

毎週迎える全52組のゲストDJ/アーティストが選曲したプレイリストとともに、その“アーティスト像の裏側”= “BEHIND THE MIX”を探っていく『RDMS powered by SMIRNOFF』。

ゲストの選曲から導き出される、バックグラウンド、歴史、価値観、哲学に迫る!

第48回目のゲストは、キャリアのほとんどを東京で過ごし、現在はNYを拠点に世界中を舞台に活躍を続けるDJ / プロデューサーのAlex From Tokyo。レーベル:WORLD FAMOUSを主宰しながら、ソロとしての作品を多数リリース。TOKYO BLACK STAR名義でも6月20日に2ndアルバムのリリースを控えるなど、リアルなクラブミュージックを常に発信している。そんな、世界を股にかけるDJのバッググラウンドに迫る!

CHOICE 1
初めてDJをしたときにセットに入っていた曲
Beltram“Energy Flash”

itunes

Energy Flash
Beltram

ジャンル: エレクトロニック, ミュージック, ダンス

1990年にR&S Recordsからリリースされたベルトラムの曲です。当時は、ハウスにハマっていて、初めてこの曲を聴いたときはぶっ飛んだね(笑) 17歳の頃だったと思うけど、いままで聴いたことのないサウンドがとても新鮮で、UFOのようなアシッドトラックでスゴいエネルギーを感じたね。DJデビューは、芝浦GOLDのLOVE&SEXというフロア。友人のファッション関係のイベントで、今でもよく覚えているよ

NY出身のジョーイ・ベルトラムは、ヒップホップをベースに、シカゴ・ハウスを経た独自のアシッディなテクノサウンドで、90年代のシーンで高い人気を誇ったアーティスト。「Energy Flash」は、テクノのクラシック中のクラシック。レイヴカルチャー全盛期に発表された本作は、ハウスともテクノとも異なるオリジナリティ溢れるサウンドメイクで、一世を風靡した。

CHOICE 2
最近DJプレイでよく使うキラートラック
St Germain“Real Blues”

「パリのアーティスト:サン・ジェルマンの、アフリカのマリの音楽要素を取り入れた最新アルバムに収録されてる曲だね。たぶんフランスで初めてテクノの曲をリリースした人で、キャリアの長いベテラン。2枚目のアルバムはジャズの名門、Blue Noteからもリリースしていたり、ジャジーな雰囲気も彼の特徴のひとつだね」

90年代から00年代にかけて、欧米やここ日本でも大きな盛り上がりを見せたクラブジャズシーン。フランス出身のサン・ジェルマンもまた、同シーンで中心的な役割を果たしたアーティストだ。ジャズやハウスを軸に、多彩なジャンルを融合させ、スタイリッシュなフレンチタッチで仕上げる極上のサウンドが特徴で、2015年に15年ぶりのアルバムを出したことでも話題となった。アレックスがセレクトした楽曲では、マリの伝統的な楽器であるバラフォンなどを使用した画期的な構成を楽しめる。

CHOICE 3
「東京」っぽさを感じる曲
Colored Music“Heartbeat”

「僕にとって東京は、本当にエキサイティングな街だね。エンターテインメントの面では、すごくミックスされた独自のカルチャーがある。ポストモダン的な雰囲気があって、とても刺激的で“国境”を感じないね。あと日本のオーディエンスはすごく優しい。DJの世界観を知るためにクラブに来る人が多くて、真剣に聴いてくれる。ピュアな部分も強くて、音楽もすごく詳しいから、アーティストからしてみると気持ちいいよね」

アーティスト名に“Tokyo”の名を冠し、ワールドワイドに活躍をしてきたアレックス。彼から見ると東京には、世界屈指のミクスチャーカルチャーが存在するとのこと。そんな彼が“Tokyo”を感じる楽曲としてセレクトしたのは、Colored Musicの「Heartbeat」。橋本一子と藤本敦夫によるColored Musicは、その実験的なサウンドを武器にYMOのツアーに参加するなど、現在のニューウェイブ・シーンを代表するユニットだが、そのリリース作品は多くない。しかし、彼らの知名度が高いのは、この曲の認知度ゆえ。エクレクティックで無国籍でありながらも、フューチャーレトロを感じるサウンドは、まさにアレックスの言う“ミックス”感を体現していると言えるだろう。

CHOICE 4
これぞニッポンの心、と言える日本のクラシック曲
山下達郎“LOVE TALKIN’ (Honey It’s You)”

「子どもの頃から、テレビでたくさんのポップスを聞いてきたし、アンダーグラウンドな曲も日本にはいっぱいあるから、すごく悩んだんだけど、ここ数年、クラブプレイの時に世界中でかけていることもあって、この曲をセレクトしました。いつ聴いても、とても優しく温かい、すっきりとしたグルーヴで、大好きなジャパニーズ・ソウルの名作です」

幼少期は普通の子ども同様にポップスに親しんでいたというアレックス。やがて大人になって、DJとして山下達郎をクラブでプレイするようになったが、そのサウンドは彼にとってまさにジャパニーズ・ソウルとして今も心の中に大切にしまわれているのだろう。

CHOICE 5
もしAlexさんが日本と海外の架け橋になって、パーティをオーガナイズするなら、誰をブッキングしたい?【日本人編】
Hiroshi Watanabe“Soul Transitions”

The Track “Soul Transitions” from HIROSHI WATANABE “Multiverse EP”

「Hiroshiくんは、90年代からの長い付き合い。この曲は4月にリリースしたニューアルバム『MULTIVERSE』に収録されていて、大好きな曲だねあとパーティに呼ぶとしたら、僕のヒーローであるYMOだね。2年くらい前に3人が揃ったライブを観る機会があって、その時はシンセがないアコースティックなYMOだったんだよね。それも観てみたいけど、やっぱり自分が小さい頃に影響を受けたオリジナルスタイルを観てみたい」

もしAlexさんが日本と海外の架け橋になって、パーティをオーガナイズするなら、
誰をブッキングしたい?【海外アーティスト編】
St Germain、Jose Gonzalez
上記アーティストの曲で、オススメの1曲は?
Jose Gonzalez/This is how we walk on the moon(Alex from Tokyo Black Star retouch)

「呼びたいのはホセ・ゴンザレスと、さっき<CHOICE 2>で挙げたフランスのアーティスト:サン・ジェルマンかな。この曲は、原曲がアーサー・ラッセルで、ホセ・ゴンザレスがカバーしたんだけど、さらにそれを僕がリミックスしたという、未発表の曲だね」

4アーティスト、2曲をセレクトしてくれたが、アレックスにとっては熱い思いがあるアーティストばかり。選曲は実にアレックスらしく、日本人アーティストではHiroshi Watanabeをセレクト。またYMOには強い憧れがあり、<CHOICE3>の選曲と繋がる部分も見えて興味深い。一方、海外アーティストの選曲では、シンガーソングライターであるホセ・ゴンザレスの曲をセレクト。しかも、好きが高じて作った未発表の自身のレタッチ曲を披露。アレックスがチョイスした4人が集まるパーティが実現したら、アンダーグラウンドな雰囲気を強く残しつつも、良質でバラエティ豊かな音楽を満喫できる一夜となりそうだ。

CHOICE 6
近頃のAlex From Tokyoはこんな感じ!最近手掛けた作品
Bing Ji Ling & Alex From Tokyo“Not My Day”

「3月末に自分のレーベル:WORLD FAMOUSの第2弾作品としてリリースした曲です。共作したアーティストのビン・ジ・リンは昔から大好きで、ようやくコラボレーションが出来たんだ」

ビン・ジ・リンは、アコースティックサウンドを基調とし、バレアリックで、チルアウトで、ソウルで…となかなかひと言では表現しにくいオリジナリティをもったシンガーソングライター。そのキャリアも多様で、西海岸ではトミー・ゲレロと同じバンドにいたり、ニューヨークの有名ダンスミュージックレーベル:DFAからもリリースがあったり。そんなビン・ジ・リンとアレックスによる夢のコラボ作がこちら!

長いキャリアと、世界中でDJをしてきた経験をバックボーンにしたセレクトは、Alex From Tokyoを知っている人なら、“らしい!”とうなずけるし、よく知らなかった人は興味深い楽曲ばかりが並んだ印象を受けたのではないだろうか。程よくアンダーグラウンドで、すべてが良質。でも、ジャンルは多彩。彼は“東京らしさ”として“ミクスチャー”という言葉を挙げていたが、まさにアレックスの音楽的志向こそが“ミクスチャー”なのではないかと思わずには入れらない内容で、Alex From“Tokyo”というそのネーミングに、力強く納得する結果となった。

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